伏見醸友会は、伏見の酒造会社に関係する酒造技術者が相互の技術の向上と親睦を目的に組織された団体です。大正2年(1913)創立当初は会員6名でしたが、2023年現在に所属する酒造会社は16社、会員数は59名を数えています。
経験と勘を基にしたそれまでの酒造りに科学的な知識、手法が導入され始めた時期で、その後、大正6年に灘五郷の「灘酒研究会」、大正13年には全国規模の「社団法人日本醸友会」などの同様の酒造技術者団体が相次いで設立されています。
(日本醸友会は平成24年度に解散。その大阪支部が関西醸友会として再結成。)
当会の活動としては、戦前は伏見酒全体の技術のレベルアップに重点が置かれていましたが、戦後は会員が大幅に増加充実すると共に当会会員による数々の開発が行われ、全国酒造業界でも先駆的役割を果たすまでになりました。
例えば、業界初の四季醸造蔵の完成、吟醸用酵母など各種酵母の開発、新しい醸造法の開発や原料米や麹菌の研究等、これまで数多くの研究成果を挙げることにより、清酒業界において多大な貢献を果たしています。
また、京都酒造工業研究会、京都市産業技術研究所とは常に共同歩調をとり、 さらに独立行政法人酒類総合研究所、大阪国税局鑑定官室、灘酒研究会などとも密接に連携を保ちながら活動を続けています。
伏見醸友会としての共同研究も活性化し、酒米の研究、醸造法の実態調査、あるいは地下水の保存と調査研究などについては各委員会を組織して地道な研究を継続。さらに「伏見醸友会誌」をその都度発行し、それらの研究成果を発表しています。
平成25年(2013年)の伏見醸友会創立100周年記念において定めた、「水を守る」「米を育る」「技を究める」の3つの活動指針を基に、「水」・「米(稲)」・「技(人)」を形どり組み合わせました。
下部にある2つの二重線で示された円弧の図柄は「水」を象徴し、とうとうと湧き出る清らかな伏見の水の波紋をイメージしました。
左上にはたわわに実った稲穂の様子を伏見の「F」の文字にも寄せてデザインしています。
右上、人のような図柄は「技を究める」蔵人、技術者を表現したものです。
伏見の酒造りと共に末長く継承され愛されるよう、シンプルでかつ噛めば噛むほど味の出るロゴマークです。